※注意1
この話は野球ネタ以外の何物でもありません。専門用語を説明無しにガンガン使っています。野球大好きな作者がリクエストに甘えて趣味全開で書いた話なので、野球に興味の無い方、野球のルールを知らない方には、意味不明で面白くない話になっている可能性が非常に大です。

※注意2
 この話は「UNIVERSAL DREAM」、「VIOLET BRASTER」、「乙姫10話以降」のキャラクターが登場しますが、時間・その他細かい設定を完全に無視しています。いわゆるパラレルです。





実況!キネッサのベースボールナイター!


キネッサ:太陽系の皆さんこんにちは、MARSラジオより、メディフ杯ベースボールトーナメント第4試合、『SS+αチーム』対『その他脇役ABチームθ』を中継しております。試合開始は火星標準時刻で午後2時、現在7回表、19対0でビハインドの『その他脇役ABチームθ』の攻撃を迎えるところです。実況は、綺麗なお姉さんアンドロイドことわたくしキネッサ、そして解説は機械萌え〜のドクター・シンです。こんにちは、シンさん。

シン:はいはい、機械萌え〜。

キネッサ:ふふふ、さて、ここで各チーム先発のラインナップを紹介しましょう。まずは『SS+αチーム』!
  1番 ウォール・カースレイン(ショート)
  2番 レンカルア・カースレイン(ファースト)
  3番 ルーク・カースレイン(センター)
  4番 ジーン・カースレイン(キャッチャー)
  5番 ウーヴェ(レフト)
  6番 シェダル・ディケンズ(ライト)
  7番 ライオネス(サード)
  8番 シノブ・ウスイ(セカンド)
  9番 アルカミル(ピッチャー)

・・・・・・とまぁ、クリーンナップにカースレインの名前がずらりと並んでいるマシンガン打線!SSのメンバーよりもプラスαの人間の方が多いわけですがこれは致し方ありません。小動物のリー選手(?)と、夜行性ゲーマーのブレイズ・スタンフィールド選手はベンチで応援です。体力の無さからシェダル選手のスタメン入りも危ぶまれたのですが、スペシャル・スカッドが二人だけでは寂しいだろという声がどこからか降りてきたため、ウスイ選手の反対を押し切って入ってもらいました。どうでしょうか、このラインナップは?

シン:まさに人種とアンドロイドのオールスターってやつやね。カストル系の人間とその他の人種との運動能力に開きがあるのは仕方のないことやけど、全員カストル系混血の『その他脇役ABチームθ』に、この点差で勝ってるってのは、やっぱりカースレイン一族の力によるところが大きいなぁ。

キネッサ:そうですね、特に2番から4番までの3人は、ここまで全打席ホームランを打っています。無茶苦茶です。どうかなと思われていたスタメン最年少のウォール選手も、エイリアンハーフ相手に5打数3安打と大健闘!無敵の上位打線です。下位打線ではアルカミル選手、ライオネス選手が共に4打数1安打。ウスイ選手とウーヴェ選手、シェダル選手にはまだヒットがありませんが、ウスイ選手はなんと全打席四球で出塁しています。

シン:あの顔見たらボールようほれんわ。反則顔やでほんま。

キネッサ:なお、脇役チームのスターティングメンバーの紹介は、番組の都合上割愛させて頂きます、ご容赦下さい。・・・・・・さて、そうこう言っているうちにマウンド上、いつもにっこり菩薩の笑みのアルカミル選手が第1球投げました、ストライク。

シン:今のはカーブやな。キレがいいねぇ。

キネッサ:アルカミル選手は、カーブ、シュート、スライダー、シンカー、フォーク、ナックル、チェンジアップの7種類の変化球の他に、消える魔球、ハクション大魔球の2つの魔球を投げる事ができます。しかも現時点で、ストレートの最高速度は171キロ!

シン:俺は是非最後の魔球を見てみたいね(アンドロイドってくしゃみするのか?)。

キネッサ:さらにアルカミル選手はなんと、ストライクゾーンを25分割にして投げているそうです。キャッチャーからプレッシャーがかかるような投球サインを出されても、首を横に振らずにっこり微笑んで指示通りの球を投げる理想のピッチャーです。

シン:これだけの変化球と直球を上手く混ぜて配球組み立てられたら、次の球を予測するのは難しいやろうし、エイリアンハーフといえど打てんやろうなぁ。あ、俺頼まれたら、49分割で投げれるアンドロイド作るよ。

キネッサ:あらドクター、是非私を改造してください、うふふ!そうこうしているうちに脇役チームの脇役その1、カーブをひっかけました!ライトに高く上がったー!しかしライトのシェダル選手はぼーっと立ち尽くしたまま動きませんっ!目を瞑ってふらふらしています、何をしてるんでしょうか!試合放棄でしょうか!どうなる?どうなる!?あ、あーっと!!どうなるも何もやっぱりセンターのルーク選手が捕・り・ま・し・たー!

シン:このチームの外野はセンター一人で十分やろ。ライトもレフトもホームランも全部一人でカバーしてるからな。前の回でライト側のファールゾーンのフライをキャッチしたときもやけど、スタンド最上段へのホームラン性の当たりをスーパージャンプしてキャッチしたときはビックリを通り越して笑えたなありゃ。ガッちゃんかと思ったで。

キネッサ:ふふふ、そうですね。シェダル選手は打席でも守備でもただ立っているだけですが、裏情報によると、これは「お前はテレパシーで相手チームの動向を探ることに専念しろ」というウスイ選手の指示によるものらしいです。この騒々しい中、目を瞑ってふらふらしていますが、あれはきっと寝惚けているのではなくテレパシストとしてチームに貢献している最中なのだろうと善意の解釈をしたいところです。あんな状態のシェダル選手にライナー性の当たりが直撃したらウスイ選手が泣いて取り乱すこと間違いありませんので、益々ルーク選手の力量が問われるところです。そのやる気の余波を食らっているレフトのウーヴェ選手は、観客席で応援しているアイリーンさんやマッシムさんに活躍を見せたいのでしょうけれど、見せ場を全てルーク選手に持っていかれている形ですね。自分は何故ここにいるのだろうと自問しているような難しい表情をしています。

シン:真面目な性格してるもんね、あの子。

キネッサ:次のバッターは、脇役その2。アルカミル選手、初球投げました…打った!スライダーを引っ掛けました、セカンド真正面のぼてぼてのゴロ!しかし脇役その2の足が無駄に速い!ウスイ選手投げれません!内野安打ーっ!

シン:普通ならアウトに出来るタイミングだったけど、やっぱりカストル系は足速いな。仕方ないね。

キネッサ:ウスイ選手、暗い表情です。内野陣から励ましの言葉がかけられているようですが、それでも暗い。俺はアウト一つすらとることができないのかと自分を責めるような表情をしています。ちなみにこの試合、セカンドゴロは全てセーフになっています。

シン:仕方ないから割り切らなアカンよー。61α系の人間ってほんま面倒やね。

キネッサ:さて、1アウト・ランナー1塁。バッターボックスには脇役その3。アルカミル選手セットポジション、振りかぶって第1球投げた、…ボール!ノーストライク・1ボール。・・・・・・ここはランナーは走ってくるでしょうか。

シン:いやぁ、走れんやろ。盗塁しようにもテレパシストのライトに筒抜けだろうし、ライトが仮に眠ってたとしても、あのキャッチャーに刺せないランナーはいないわな。

キネッサ:これまで、キャッチャー・ジーン選手の盗塁阻止率はなんと100パーセント!後逸も無く、攻撃的なリードを得意とし、扇の要としてチームメイトの信頼を勝ち得ています。アンドロイドの私でさえキュンキュンしてしまうくらいカッコイイですね、ジーン選手は。・・・・・・ピッチャー第2球投げた、ストライク!スライダーから入りました。・・・・・・SSファンのメディフ社員で埋め尽くされている観客席ですが、ライト側外野席の一部は、遠くカストルからやってきたジーン司令官応援団で占められ、『アニキ』と書かれたプレートがあちこちで掲げられています。ちなみに当初、応援団の団長は、ジーン選手の妻レンカルア選手が務めておりましたが、選手不足のため上から要請が下り、夫と共に野球グラウンドという戦場に立つことを決意したそうです。

シン:レンカルアさんの応援団服姿見てみたかったなー。

キネッサ:ボールカウントは1ストライク・1ボール。ピッチャー振りかぶって、投げた!おぉっと脇役その3、バントです!無警戒だったサード方向に転がった!しかし勢いは殺されていない!ライオネス選手飛びつく、2塁に投げたアウト!そして1塁に投げる…・・・1塁アウト!5・6・3のダブルプレイです!!

シン:普通今の場合、セカンドベースにはセカンドのウスイ選手が入るべきなんやけど、ウォール君が入っとったね。

キネッサ:ウスイ選手の肩ではカストル人相手にダブルプレーは無理ですから(あっさり)。さーてここでファンファーレ。色とりどりのジェット風船が360度、全方向から宙に向けて放たれました!先発のアルカミル選手の好投と、野手の鉄壁のファインプレーにより、いまだ『その他脇役ABチームθ』は無得点!7回裏、『SS+αチーム』の攻撃です。ここで一旦CMです。


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CM:『は〜い!ブレイズでおまーす!やっぱり、メディフ社が、一・番・や〜!』(メディフのコマーシャル)

CM:『野球は、やっぱり、MARSラジオ、11○9ぅ!』(ラジオ局のコマーシャル。ヒップホップなノリのライオネスの声)


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キネッサ:MARSラジオより、メディフ杯ベースボールトーナメント第4試合、『SS+αチーム』対『その他脇役ABチームθ』を中継しております。現在7回裏、19対0でリードしている『SS+αチーム』の攻撃が始まるところです。ただいまジェット風船の片付けなど、球場整備の時間に入っています。さて、『SS+αチーム』側ベンチにリポーターが行っている模様です。選手に直接話を訊くことができるでしょうか。

ブレイズ:『放送席ぃ、放送席ー。こちらベンチリポーターのブレイズ・スタンフィールドです』

シン:リポーターってか控えの選手やん!

キネッサ:うふふ、細かい事はさておいて、ブレイズ選手、ベンチの選手の様子はいかがですか?

ブレイズ:『はーい、それでは手っ取り早く、直接選手に話を聞いてみましょう!リー選手こんにちは!』

リー:『こんにちはー!』 

ブレイズ:『リー選手は今日は残念ながらベンチスタートですが、可愛い応援でチームのみんなに元気と勇気を与えているんです!』

リー:『そうなの!わたし、グローブをはめることができないし、バットも持てないから、ベンチで応援しているの!』

シン:え、普通ベンチ入りすら怪しいやろそれ!?

ブレイズ:『聞いてくださいこの愛らしい声!声だけでなく姿形もプリチーなんです!それでは早速インタビュー!…あの、好きな人はいますか…?!』

リー:『みんな好きだけど、ブレイズが一番好きよ!』

ブレイズ:『ぼ、ぼぼぼぼぼ僕もっリーのことがっ好・キ・ダ・ヨーーッ!!(愛)』

リー:『ブレイズ!(うっとり)』

キネッサ:あっははははは!公共の電波で何をやってるのかしらこの子たちは!

シン:若いっていいねぇ!俺も昔はブイブイ言わせとったけど、いやぁ、甘酸っぱいわぁ!

ライオネス:『……え、はい?オレッスか、はぁ、いいっすけど。・・・・・・あー、あー、テステス。こんにちは、こちらライオネスでっす!なんかオレ、金髪でやたら爽やかな知らない男の人にいきなりリポーター任されました!今までマイク持ってた、自前の変な改造ユニフォームの上から変な色の半纏を着た子供は、なんか可愛い小動物とハートを振り撒いてイン・マイ・ワールドって感じッス。神聖なベンチでなんなんでしょかこの子たちは。もうオレの声も聞こえてないようッス。えーと、そんなわけでよろしくお願いしまッス!』

キネッサ:あらこんにちは、よろしくお願いします。

ライオネス:『それでは本日1塁ベースを一度も踏んでいないウーヴェ選手にインタビューしたいと思いまッス!どうですか、全打席見逃し三振の感想は』

ウーヴェ:『うるさい』

ライオネス:『あはは、ちょっとご機嫌斜めのようです。さっさと切り上げちゃいましょう!観客席で応援しているアイリーンちゃんとマッシムちゃんに一言!』

ウーヴェ:『・・・・・・君達が応援してくれているスタンドへホームランを打ち込みたいと思っていた。しかし、世の中は広いな・・・・・・』

ライオネス:『マッシムちゃんたちはバックネット裏のグリーンシートで優雅に応援してるから、打ち込むならファールボールだな!ファールボールはすんげー回転かかって危ないから気をつけて!!ウーヴェ選手あんがとっす!そいじゃ続いて今日5打席連続ホームランの我らがアニキ、ジーン選手に話をきいてみたいと思います。ジーン選手、絶好調ッスね!!』

ジーン:『当然の結果だ。俺に不調な時など無い。常に万全のコンディションで戦場に向かうからな。ところでライオネス、お前、内野フライばかり打ち上げてるな』

ライオネス:『うぇっ、は、はいっ!すみません!』

ジーン:『この俺が養成ギブスまで作って特訓してやったのになんたる様だ。そんなことでは俺の部下は務まらんぞ』

ライオネス:『め、面目ないッス!あ、いっけねー!打順次俺からなんっすよ!もう行かなくちゃ〜!インタビュー終わりっ!旦那、失礼します〜!』

ジーン:『ライオネス!次にヒットを打たなければ明日から1ヶ月でモジュロマジュロ語をマスターさせるぞ、覚悟しておけ!(フェードアウトする声)』

キネッサ:・・・・・・モジュロマジュロ語とは、カストル南部に住む少数民族の話す言語ですね。ダカルガはあの一帯の征服に乗り出す予定なのでしょうか。

シン:いや、モジュロマジュロ語は難しくてわけわかんなくて有名なんだわ。せやから単なるいじめやと思うよ。

キネッサ:うふふ、ジーン選手は弟子が可愛くて苛め倒してしまうタイプのようですね!さて、ベンチリポートが終わったところで、丁度グラウンド整備も終わったようです。『SS+αチーム』の攻撃は、7番のライオネス選手からです。彼はここでヒットを打たなければモジュロマジュロ語を1ヶ月で習得しなければなりません。果たしてこのプレッシャーに打ち勝つことはできるのでしょうか。

シン:彼、プレッシャーには強いからねぇ、頑張って欲しいような、モジュロマジュロ語を覚えるのに四苦八苦する様を観察するのが楽しみなような、うん、どっちゃでもええわ!

キネッサ:マウンド上のピッチャーは脇役その4!振りかぶって第1球投げました、ボール!変化球で翻弄するアルカミル選手とは違い、こちらは真っ向勝負の剛速球ピッチャーです。先程から球速は210キロ出ています。さすがエイリアンハーフ。

シン:地球人ではまず打てない速さやな。俺なんか一瞬白い線が走ったようにしか見えへん。無安打のウーヴェ選手もシェダル選手も恥じることは全く無いですわぁ。デッドボール食らわんように気をつけて立っとかな。カストル系の人間以外、1球胴体に食らったらアレ死ぬでほんま。だけど言い換えればただ早いだけの真っ直ぐなボールだから、速さに慣れたら打てる球で、カストル系だったらそれができるわけ。だからライオネス君も……。

キネッサ:ピッチャー第2球、投げた!打った!三遊間に転がる!ショートつかんだ!ファーストに投げる!ヘッドスライディングーッしかしアウトー!!モジュロマジュロ語の勉強決定!!ベンチではジーン選手が肉食獣の笑みを浮かべて待っています!頭を抱えてへたりこむライオネス選手ーー!

シン:あっちゃー、あかんかったなぁ、空間転移を使えたらセーフやったのにな。

キネッサ:そうですね。今大会のルールで、自分の身に危害が及びそうになった場合を除きPKの使用が禁止されています。61α系の選手にとっては非常に不利なルールで、この試合では、ウーヴェ選手の念動力、ライオネス選手の空間転移、ウスイ選手の念動力と空間転移とアレが使用不可とされています。ちなみにESPの使用はOKですので、シェダル選手は堂々と暗躍できます。

シン:「自分の身に危害が及びそうになった場合」ってのは、デッドボールくらいそうになった場合と、乱闘で喧嘩吹っかけられた場合ね。でもあの球速だったら、カストル系の選手以外は身体に当たるかどうかの判断って難しいよな。病院のベッドの上で初めて、死球くらったって理解するのがやっとちゃうん。

キネッサ:そうですね。まぁそれを怖れて、シェダル選手とウスイ選手はベースから一番離れたところでバットを構える形だけしたりしてますよね。

シン:情けないなぁ。まだ打とうとやる気をみせるウーヴェ君の方が可愛げがあるよ。

キネッサ:あ、ここで物凄い歓声と悲鳴が場内から沸き起こりました。ウスイ選手です、ウスイ選手がバッターボックスに向かっています。バックスクリーンにウスイ選手の顔がアップで映し出された途端、スタンドで失神者続出!毎度のことですが凄い効果です!

シン:俺も、よう直視できへんって!なあもう映すのやめたらええのに〜。

キネッサ:裏情報によると、他の選手の顔は映さなくても、ウスイ選手とウーヴェ選手の顔だけは絶対に映すようにとの、スポンサー(金髪で爽やか)の意向があるとのことです。攻守交替の際のバックスクリーンに映る観客席の映像も、アイリーンさんとマシムガルカンナさんが殆どです。

シン:っつーかな、美形率高すぎやねんって!特に今回のメインキャスト、平均以下の顔って俺くらいちゃうん!?

キネッサ:まぁまぁ落ち着いて、ドクターの顔、私は好みですよ?(にっこり)

シン:……一瞬あんたがアンドロイドってこと忘れたわ。萌えるなんて俺としたことが不覚!!天国の母ちゃん堪忍な!!

キネッサ:うふふ!さぁ、ここまでの打席、選球眼の良し悪し関係なく、全て四球を選んで出塁しているウスイ選手。軽度の視線恐怖症のためか、この試合中ずっと顔が青褪めています。バッターボックス付近は点描と花とキラキラ星が飛び交う異次元空間!宝塚ならありですが、野球のシーンで使う背景ではありません。キャッチャーと審判の姿が霞んでよく見えない!ちょっと間をとったマウンド上のピッチャー、額の汗を何度も拭って、ようやくセットポジションにつきました。振りかぶって、第1球・・・・・・あーっと、外に大きく外に外れましたボール!この打席もフォアボールになりそうな予感です。

シン:敬遠しているわけじゃないんやろうけど、うん、宇宙の神秘(?)を目の当たりにしてやっぱり投げれないんやろうなぁ。ってか打順、ミスったね。

キネッサ:そうですね。今回の打順構成はジーン選手が担当したらしいのですが、ウスイ選手、シェダル選手、ウーヴェ選手の3人は戦力と考えてなかったようです。

シン:ウスイ選手が必ず四球で出塁することがわかっていれば、恐らく9番あるいは1番に据えてたね。んで、レンカルアさんが必ずホームラン打って帰すと。

キネッサ:そうですね。続いて第2球、投げ・・・あーー!デ・ッ・ド・ボーール!!すっぽ抜けました!ウスイ選手の左手を直撃!!

シン:うっわーっ、痛そー!ありゃマジ痛いわー!

キネッサ:痛みに転げまわるウスイ選手、客席からはマウンドに向けてブーイングの嵐、そしてベンチからはルーク選手が飛び出てきましたーー!!

ルーク:『貴様は死ねーーー!!』

キネッサ:皆さん、今の聞こえましたでしょうか、放送席まで聞こえる大音声!ピッチャーの脇役その4に飛び掛るルーク選手!迎え討とうと脇役その4も構えましたが、ガードをくぐってルーク選手の飛び蹴りが顎に決まったー!すごいです、飛んで飛んで飛んで飛んで飛んで回って回って回って円さんもビックリのライナー性の弧を描いてレフト側ポールに衝突した脇役その4!

シン:ホームラーーン!!

キネッサ:マウンド上で雄叫びを上げるルーク選手!しかし脇役チームの選手たちがそれに群がる!ベンチからもその他の脇役カストル系ハーフたちが蟻のように出てきました!圧倒的な数の差!ルーク選手大丈夫でしょうか!まぁ大丈夫でしょう!とここでジーン選手、レンカルア選手、ウォール選手が嬉々として乱入!みんな喧嘩大好きです!目がキラキラしています!

シン:あっはっは!俺にはギラギラしているように見えるけど、いけっ、そこや、やったれぁ!!

キネッサ:ちなみに血気盛んなカストル系の選手が多い今大会、選手の人数も限られていますので、選手同士での乱闘騒動程度では退場にはなりません。審判への暴力行為は即退場ですが。さぁ盛り上がってまいりました!野球の試合ではなく、乱闘を楽しみに球場へ足を運んでいるというお客さんも少なからずいるとは聞いていますが、熱気と興奮の渦に包まれてるメディフドーム。あちこちからプロレス会場のような野次が飛んでいます。試合は一時、中断です。

シン:これまで他に3試合あったけど、全部乱闘シーンがあったねぇ。1試合中に5回も乱闘になったこともあったなぁ。それよりウスイ選手の怪我は大丈夫かな?

キネッサ:ベンチからはシェダル選手とブレイズ選手、リー選手がウスイ選手のもとへ・・・・・・あ、それを追い越していち早くウスイ選手のもとへたどり着いた人物がいます!あれは・・・・・・メディフ社環境開発部のトリスタン部長、エイリアンバスターの上司です!傍らにはアルカミル選手!爽やかな笑みを浮かべて、手にはコールドスプレー!部下への応急処置を自ら施そうという上司の姿に、場内のメディフ社社員からトリスタンコールが起こっています。さすが人気ナンバーワン上司!

シン:ウスイ選手はものすごく嫌がってるみたいやけど。

キネッサ:うふふ、あれは照れているのですよ。思春期の少年と父親のような関係です。微笑ましいですね。

シン:詳しいこと知らんけどそうなん?そんなら微笑ましいね。でも200キロの剛速球受けてぐしゃぐしゃの手にコールドスプレーは意味無いっつーか、……えっ、うわっ、なにあれ、客席にトリスタンの文字が!すごいなーっ!

キネッサ:ライト側の内野席、アルプス席、外野席を占めているメディフ社員による、色画用紙を用いたマスゲームですね。一糸乱れぬ素晴らしい動きに、レフト側の観客から思わず拍手が送られています。リスナーの皆さんにお見せ出来ないのが非常に残念です。社員全員一丸となって、残業してまで練習した血と汗と涙の結晶のマスゲーム!語られないドラマも数多くあったことでしょう!

シン:えーと、選手の名前じゃなくて、トリスタンの文字ばかり踊ってるんやけど、あれでええの?

キネッサ:何も問題はありません、これがここでは当たり前なのですよ。おっと、アヴィゲイル監督がアヒル型のおまるを持ってベンチから現れました。・・・・・・いや、違いますね、おまるではなくて、ヒーラーのエイプリルさんのようです、正確さが売りのアンドロイドの私としたことが失礼いたしました。ウスイ選手の怪我はエイプリルさんが治療するようです。あ、ウスイ選手の頭に、何かが飛んできて直撃しました。どうやらスパイクのようです。乱闘で揉みくちゃになっているマウンド付近から飛来した模様。ウスイ選手、止めに頭から血を流して血に臥しました!どうしてここまで運が無いのでしょうか!

シン:ほんま哀れやね。

キネッサ:他にも飛来物がありますが、マスター・トリスタンを護るため、アルカミル選手が弾幕砲火を始めましたので、ホームベース付近は安全地帯になりました。ライオネス選手とウーヴェ選手の二人も、ウーヴェ選手の念動力によるバリアーで周囲を囲い、遠巻きに騒ぎを見物しています。

シン:ライオネス君、参戦しとかんと後でジーン君に怒られへんかなぁ。あ、誰か吹っ飛ばされた!

キネッサ:あれはウォール選手ですね。一塁側内野スタンドに頭から突っ込みましたが大丈夫でしょうか。

シン:ていうか、あそこにいた観客の方が心配やね。

キネッサ:ちょうど通路に突っ込んだようですよ、不幸中の幸いです。あ、立ち上がりました!顔面血だらけでとても怒って、カストル語で叫んでます。私の耳は一言一句聞き取っていますが、放送禁止用語がかなり交じっていますので、残念ながら皆様にお伝えすることができません。はい、ウォール選手、グラウンドに飛び戻りました。マウンド上で続いている乱闘に戻るようで……あっ!右腕から鎌を出しました!これはいけません、今大会、殴る蹴るは許されていますが、斬る千切るはご法度です!!

シン:怖ッ!そんな怖いルール作らなアカンなんて野球ちゃうで!!

キネッサ:ここで主審のアヴィゲイル審判がウォール選手に退場を宣告しました!『SS+αチーム』、ウォール選手が退場です!主審に詰め寄るウォール選手!しかしアヴィゲイル審判のサイコキネシスが問答無用で決まりました!ノックアーウト!

シン:ウォール君って結構強いんやけどな……あの主審、何者?

キネッサ:こうしている間にも、グラウンド上には次々とKOされた選手達が倒れ、砂と血に塗れています。生き残るのは果たして誰なのか!?……ここで一旦CMです。

シン:リスナーの皆さん、野球中継やからねこれは!!

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CM割愛

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キネッサ:大荒れに荒れたメディフドーム。F5級の竜巻が去った後のような無残な呈を様しています。MARSラジオより、メディフ杯ベースボールトーナメント第4試合、『SS+αチーム』対『その他脇役ABチームθ』を中継しております。現在7回裏、『SS+αチーム』の攻撃、打順は8番セカンド・ウスイ選手のシーンだったのですが、なんとデッドボール。これにより乱闘へと発展してしまいました。『SS+αチーム』のウォール選手が、右腕から凶器の鎌を出したことにより、大会規約27条違反で退場。その後、『その他脇役ABチームθ』のピッチャー・脇役その4選手も危険球により退場となりましたが、こちらはルーク選手の一撃で、退場になるまでもなく病院送直行です。グラウンド上は一段落つきました。血に塗れながら、今、意気揚々とベンチに引き返しているのは『SS+αチーム』のジーン選手とレンカルア選手。

シン:この二人のコンビネーションは実に素晴らしかったね!ええ夫婦やわ。タッグ組んで、是非プロレスやって欲しいねぇ!

キネッサ:そして、やはり血に塗れたルーク選手が、ホームベース上のウスイ選手の元に自慢げに向かいました。ウスイ選手の傷は、ヒーラーの力により完治したようです……とここで紫の光が炸裂!ルーク選手が吹っ飛んだぁ!!

シン:なに、なに今の!?

キネッサ:吹っ飛んだルーク選手、地面にめりこんでいます!もうお約束です!

シン:え、なになに、ちょっとなんやねんあれ!?

キネッサ:スパイクの持ち主はルーク選手だったということだと推測されます。

シン:答えになってへんし!

キネッサ:あ、ほらほらシンさん、アヴィゲイル審判がマイクを持って登場しましたよ!

アヴィゲイル:『……主審のアヴィゲイルだ。その他脇役チームの選手が控えも含め全員負傷。これにより試合続行不能と判断し、大会規約35条に照らし、当試合、19対0でSS+αチームの勝利とする』

キネッサ:コールドゲームです!19対0で、SS+αチームの勝利です!

シン:コールドの理由がありえねぇ!

キネッサ:劇的な勝利でしたね、ドクター・シン!感想をお聞かせ下さい。

シン:いや、感想も何も最後の方、野球を見たって感じがしないのは俺だけか?まぁ楽しかったからええけどな!

キネッサ:ええ、迫力のあるいい試合でしたね!MARSラジオより、メディフ杯ベースボールトーナメント第4試合、『SS+αチーム』対『その他脇役ABチームθ』をお送りしてきましたが、そろそろお別れの時間です。明日のこの時間は、メディフ杯ベースボールトーナメント第5試合、『その他脇役ABチームγ』対『その他脇役ABチームω』をお送り致します。この試合での勝利チームが、来週の決勝戦で、本日勝った『SS+αチーム』と対戦することになります。メディフ杯、優勝の栄冠を手にするのは果してどこのチームでしょうか!優勝チームには特別休暇をプレゼント!ちなみに『SS+αチーム』の+αの方々の優勝商品は、ティニスの最新のエアカー・アルバトロスとなっています。それでは次回までごきげんよう。ドクター・シン、ありがとうございました。

シン:はい、ありがとー。ってか俺は解説よりツッコミの方が多かったね。



END
(2007.5.25) 30000hitのflat様に捧ぐ。(大ッ変遅くなり、申し訳ございません!!)

→→→あとがき

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