緊迫した空気を破ったのは、少年だった。
突如、吼えた。
地下で蓄積し続けてきた感情を、腹の中の全てを、己を吐き出すような咆哮だった。
長く尾をひく咆哮は、2度も3度も繰り返された。
生を。力を。誇示するかの如く叫ぶ。
さながら、獣だった。
地に足を踏みしめ、両手の拳から血を滴らせ、暮れゆく赤い空を睨みつける。
少年の全身は生まれたての胎児のように血に染まり、さらに夕陽を浴びて燃え上がるような色彩を放つ。
薄氷色の瞳はぎらついた命の力を映し、その誇りに満ちた輝きは何人にも蹂躙されることはない。

そう、何人にも蹂躙されることがあってはならないのだ。

突如、静けさがあたりを包んだ。
全てを紅く染めた少年は、ため息するように息を一つ吐くと、ゆらりと後ろを振り返る。
口の端に、乾いた血と共に笑みがこびりついてた。
垣間見せることのあった純粋なそれではないことが、昏い炎を映した瞳を見ればすぐにわかる。
少年がおもむろに右手を上げた。
むき出しの腕からするりと出たのは銀の大鎌。
自慢するためではなく、好意を得ようとするがためではなく、唯一つの明確な殺意をもってそれは振りかざされ、








……………→→→→乙姫